2017/09/ 7Thu

古典「貞観政要」を読んで考えた「ダイバーシティ経営」
by 大石 豊研究員

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こんにちは。リージョンズのコンサルタント、大石です。

さて、先日「貞観政要」を読みました。
ご存知の方も多いかと思いますが、貞観政要は、中国・唐の時代に著された書物で、血生臭い前後の時代に挟まれ「貞観の治」と呼ばれる太平の世を実現した、 唐の二代皇帝の名君「太宗」と臣下達との問答形式をとった君主論、今風に言えばリーダーシップ論、を説いた古典です。


実は、弊社でも、二度ほど経営TOPセミナーを引き受けて頂いたライフネット生命の創業者で、稀代の読書家でもある出口治明氏が、座右の書の一つとして挙げていたため、遅ればせながら手に取りました。

「名君の条件」「創業か守成か」「後継者をどう養成するか」など、まさに現代的経営に通ずるテーマについて論じられているのですが、この書物の中で非常に重要な意味を持つ言葉が、「諫諍(かんそう)」という頻出ワードです。

「諫諍」とは、平たく言えば「部下が上司に向かって遠慮なく意見を言ったり、上司の非を 非難すること」になるようですが、この「諫諍(かんそう)」に対し君主は徹底的に聞きいれよ、と同時にまた部下は上司に徹底して「諫諍」せよ、と、全編を通底して(あきれるほどのボリュームで)懇々と説かれているのです。

つまり、君主たるものは「素直に人の話を聞きなさい」というもので、天下国家の破滅は、いつの世もその長たる者が人の言うことを聞かなくなることによりもたらされる、 コミュニケーションが途絶することによりもたらされる、と説いているのです。

個人的な話ですが、つとに、近年この事を痛感しながら過しているような気がしています。

特に仕事を通して大成されたり、成果を上げてきた方は、経営者にせよ、転職者にせよ、素直な資質を持っているという点において共通しており、「素直さ」「人の話を聞き入れられること」 が成功の要諦であること疑うべくもないと認識しています。
その事をよく理解していながらも、かたや一方で、自分自身が特に年齢を経るにつれ、人の話しを聞けなくなっているのではないか、という思いが私にはあります。
たかだか42年の人生を過しわずかばかりの成功体験や失敗をもって、さかしらに語る事のいかに多いことか、気付くとそうなっている自分に恐怖すら覚えることがあります。

思うに、いつの世も人と「繋がれる人」が良き人格者なのではないかと思います。素直であることと、他者の声に真摯であること、つまり、物事に対し、何より人に対して「開いていること」「オープンであること」が、良き人格者の資質である、と改めて諭されたように 感じ、自ら激しく省みた次第です。

数年前から流行している心理学者のアドラーによれば、人間のあらゆる悩みは人間関係についての悩み、となるそうです。逆も言えており、私は多くの方々に出会う中で「人間関係の大きさが人間の大きさ」 なのだろうとの思いを強くしています。そしてこれは経営についても同様に感じており、よく「会社は経営者の器以上にはならない」とは言いますが、やはり会社のサイズ=経営者のサイズ、 という事なのだろう、と考えることがあります。

他人とつながれなくなった時、その人のサイズは、その人一人の大きさにまで縮小します。
逆に多くの人とつながれたとき、その人の大きさは、体の大きさを大きく超えて巨大になります。
そして、その巨大な人、というのは、つまりは人の話をよく聞く人の事のように思うのです。
私のイメージする松下幸之助さんは、まさにこうした「超巨人」です。

実は、これは昨今叫ばれている「ダイバーシティ経営」の要諦なのではないか、とこの本を読みながら感じていました。(事実、推薦者の出口氏は職場に多様性を持ち込むべく、ダイバーシティ経営を実践 されてきた経営者として有名な方でもあります。)女性を採用しましょう、でも、マイノリティーを採用しましょう、でもなく、 「(べき論ではなく)多様な人の声を素直に経営に取り入れましょう」が、 ダイバーシティー経営と、個人的には考えます。

今後の世の中がこれまで私たちが経験して来た通りにいかないのは容易に想像がつきます。
これから起きることは、すべて「未曾有の事」になるはずです。その時に、自分がいかに人の話を オープンに、謙虚に聞き入れ、自分のサイズを大きくしていき「続け」られるか、 この事を問われたような気がします。

「貞観政要」、読みやすい文庫が出てますのでご興味あれば是非読んで見て下さい!
http://www.kadokawa.co.jp/product/321605000089/

転職相談エントリーはこちらから⇒https://rs-miyagi.net/entry/

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