「創造と挑戦を楽しむ」を体現する、粘り強い東北魂
当時、日本特殊陶業の半導体向け製品の事業部は立て直しが必要な状況でした。お客様は我々の製品に期待して、待っていただいていたのですが、品質と技術の両面で応えきれなかったのです。それを何とかテコ入れするのが私のミッションでした。経営陣も大事にしたい事業だったようで、必要な投資を許してくれる経営方針でした。現在では、伸び悩んでいた業績が好転し、黒字となっています。そのような経験を経て仙台のセラテックに着任しています。当社に着任して感じたことは、粘り強い東北魂を持っているということ。苦しい時でもなんとか利益を確保してお客様の期待に応え、いい製品を作ろうとするモノづくりを極める精神がありました。果敢に挑戦した心意気が、数字となって結果に出ていると思います。
前任の社長が掲げた「創造と挑戦を楽しむ」というスローガン。技術志向でお客様の期待に応え、それ以上を突き詰め、その挑戦を楽しむということを教わりました。とてもアグレッシブな経営魂です。メンバー全員には技術を極める前向きな姿勢と、挑戦をして成果を出そうとする技術志向の心意気がありました。マニュアル通りに動くのではなく、工夫を重ね、創造性が非常に高い現場でした。
世界に誇れるナノレベルの卓越した技術
新しい素材の開発は強い、軽い、耐熱性、膨張性などの性能で注目される分野です。当社はそれらの素材の加工において卓越した技術があります。ミクロン以下の精度の加工技術はどこにも負けていません。どうしても削れないような難しい材料が持ち込まれても、粘り強く取り組む職人がいます。半導体の世界は、ナノレベルの加工精度に至っており、極める人がいなければ不可能な技術領域です。それを可能にしている当社の技術力は、どこにも負けない強みといえるでしょう。その技術は、最先端のラボで研鑽されているわけではなく、一般的なごく普通の製造工場で磨かれており、これは世界に誇れることだと思っています。2019年には、世界トップクラスの半導体製造装置メーカーから賞をいただきました。各部署の技術の蓄積から成し得た結果です。非常に短い期間で完成した製品でしたが、技術と人の熱意が集結すると、とても大きな力が生まれるのだと実感した瞬間でした。しかし甘んじてはいられません。常に挑戦してレベルを上げていきます。そして半導体業界から領域を広げ、新しい可能性を模索しています。