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「創造と挑戦」を掲げ、世界レベルへ挑む。

株式会社NTKセラテック
代表取締役社長 新海 修

更新日:2021年6月09日

1989年に日本特殊陶業(株)入社。米国特殊陶業出向などを経て、2020年に(株)NTKセラテック代表取締役社長就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

自動車業界から半導体業界へ転身。

NTKセラテックがある仙台に来て、まだ2年目。私は親会社である日本特殊陶業に新卒で入社しました。技術系にいましたが、入社7年目でアメリカ出向を任ぜられました。日常会話程度の英語力しかなかったので、あまり行きたくなかったというのが本音です。しかし自動車メーカーと技術交渉をしなければならなかったので、泣きながら英語を覚えました。

6年間は英語に苦労しましたが、それ以降は、口を武器に技術営業に徹していました。所属先はセンサー事業部で、自動車の酸素センサー(排気ガスに含まれる酸素濃度を検知するセンサー)を担当。自動車産業が拡大路線の最中、事業部長まで務めました。自動車に関する環境規制が年々厳しくなっていく中で、様々なセンサーの搭載が必須条件になりました。世界の自動車メーカーが取引先となる状況でしたので、世界中を飛び回り、プロジェクトリーダーとして、製造拠点のあるタイに2つ目の工場を、インドにも新工場を立ち上げました。自動車業界にどっぷりつかっていましたが、会社として半導体向けの商品に注力するために、会社の命を受け、半導体の事業領域へ転身しました。

「創造と挑戦を楽しむ」を体現する、粘り強い東北魂。

当時、日本特殊陶業の半導体向け製品の事業部は立て直しが必要な状況でした。お客様は我々の製品に期待して、待っていただいていたのですが、品質と技術の両面で応えきれなかったのです。それを何とかテコ入れするのが私のミッションでした。経営陣も大事にしたい事業だったようで、必要な投資を許してくれる経営方針でした。現在では、伸び悩んでいた業績が好転し、黒字となっています。そのような経験を経て仙台のセラテックに着任しています。

当社に着任して感じたことは、粘り強い東北魂を持っているということ。苦しい時でもなんとか利益を確保してお客様の期待に応え、いい製品を作ろうとするモノづくりを極める精神がありました。果敢に挑戦した心意気が、数字となって結果に出ていると思います。

前任の社長が掲げた「創造と挑戦を楽しむ」というスローガン。技術志向でお客様の期待に応え、それ以上を突き詰め、その挑戦を楽しむということを教わりました。とてもアグレッシブな経営魂です。メンバー全員には技術を極める前向きな姿勢と、挑戦をして成果を出そうとする技術志向の心意気がありました。マニュアル通りに動くのではなく、工夫を重ね、創造性が非常に高い現場でした。

営業と技術の創意で、新規分野に挑戦する。

親会社もNTKセラテックの文化と技術を高く評価しています。設立から30数年の会社ですが、事業を統合して新しいステージに入り、さらなる発展が期待できる環境です。取引先が世界の超一流企業ばかりで、大きな刺激を受けられることも、発展を加速させる一要因だと感じます。

これまでは、できる範囲の技術でお客様のオーダーに追随していくあり方でしたが、これからは、お客様の期待に応える積極的な動きが必要だと考えています。お客様の考えていることをしっかり理解して、我々が先導役として、仕事を進めていく転換期だと思っています。そこにはスピードが求められ、より速く最先端の新しい技術を提供していく必要性に迫られていると認識しています。

現在、半導体製造装置をメインに事業を展開していますが、お客様が求める製品を社会に送り出すことがミッションのため、最先端の研究を事業化し、新規の分野にも挑戦してくことも大事だと考えています。そこには技術力はもちろん、営業力も大切になってきます。営業スタッフがいかに新しい技術をかぎ分けて、展開させていけるかが大事です。現状は小さな目標にむけてのスモールスタートになりますが、5年後、10年後に大きな結果をだしていきたいです。

技術を保有する会社にとって、営業職と技術職の間には溝のようなものがあるものです。技術を極めたい方は営業をしたがらないものですが、当社は技術を熟知した人が営業で力を発揮していて、製造部長が営業部長になったり、その逆もあります。営業も技術も開発も、幅広く活躍できるフィールドがあるのです。

世界に誇れるナノレベルの卓越した技術。

新しい素材の開発は強い、軽い、耐熱性、膨張性などの性能で注目される分野です。当社はそれらの素材の加工において卓越した技術があります。ミクロン以下の精度の加工技術はどこにも負けていません。どうしても削れないような難しい材料が持ち込まれても、粘り強く取り組む職人がいます。半導体の世界は、ナノレベルの加工精度に至っており、極める人がいなければ不可能な技術領域です。それを可能にしている当社の技術力は、どこにも負けない強みといえるでしょう。

その技術は、最先端のラボで研鑽されているわけではなく、一般的なごく普通の製造工場で磨かれており、これは世界に誇れることだと思っています。2019年には、世界トップクラスの半導体製造装置メーカーから賞をいただきました。各部署の技術の蓄積から成し得た結果です。非常に短い期間で完成した製品でしたが、技術と人の熱意が集結すると、とても大きな力が生まれるのだと実感した瞬間でした。

しかし甘んじてはいられません。常に挑戦してレベルを上げていきます。そして半導体業界から領域を広げ、新しい可能性を模索しています。

独自の企業文化を築き、影響力のある立場に成長。

当社は世界最先端の技術を手掛けています。現場で必要になるスキルは、お客様と対等に技術の話ができることです。まずはお客様の話を理解して、次に何をすべきかを考えることです。間違ってもいいから、自分の考えを伝えられることが大事。そこで気づいてほしいことは、結果には理由があるということ。技術に限っては、楽観的な勝算はありません。「たぶんこれでいい、きっとうまくいく」という考えで成功することはあり得ません。100に1つでも失敗があって、確信がないものは絶対にNGです。失敗はゼロでなければなりません。私も多く失敗を重ねてきましたが、最後にお客様に褒めていただけるのは、失敗の理由がちゃんとわかっており、原理原則にたどり着いている状態の時です。何をやっても怒られるときというのは、そこにたどり着いていない証左でもあります。これは私の人生経験からの教訓です。どんな状況でも、事実を直視する重要性を感じています。

今後は、とにかく独自の企業文化を築き、独自に進化していきたいです。親会社である日本特殊陶業が提唱している各カンパニーの「独立自営」を実践して、利益を出し、従業員をしっかり養い、お客様に価値を提供していきます。それを徹底的に突き詰めて、グループ内でも抜きん出た存在になり、影響力のある立場に成長していきたいです。

編集後記

チーフコンサルタント
菅原 大

お話を伺い、加工技術を極めてきた同社の歴史と、「当たり前」の水準の高さに改めて驚嘆しています。

また、インタビュー中に「誰に教わるわけでもないため、できる方法を自分たちで調べて『できるようにする』」というお話もあり、仕事に対する熱い情熱を感じる内容でした。

「これでいい」と限界を決めるのではなく、常に最上・最良のものを作り上げるという、同社が大切にしてきた価値観を垣間見ることができました。

また、新しい分野へのチャレンジについても伺い、さらなる飛躍に期待感が高まるインタビューとなりました。

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