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企業2023.07.04

東北大学が「卓越研究大学」候補に!? 東北大学の研究「半導体編」

こんにちは。リージョナルキャリア宮城のコンサルタント、佐藤理貴です。

世界最高の研究水準を目指す「国際卓越研究大学」。第一回公募では全国から10校の大学が名乗りを上げましたが、候補が東京大学、京都大学、そして仙台市に本拠地を置く東北大学の3校に絞られるとの報道がありました。文科省は今秋にも認定校を決めるそうです。

認定されると、10兆円規模の「大学ファンド」から支援を受けられる、この国際卓越研究大学制度。2024年度から最長25年間とする計画で、1校当たり年数百億円の支援に充てるとしています。

■国際卓越研究大学とは

以下の3つの要件を満たす大学です。

1.国際的に卓越した研究成果を創出できる研究力。
2.実効性高く、意欲的な事業・財務戦略
3.自立と責任のあるガバナンス体制

※参照:文部科学省:国際卓越研究大学制度について(最終閲覧日:2023年7月4日)

東北大学の提言は?

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※画像引用:東北大学キャンパスガイド(最終閲覧日:2023年7月4日)

東北大学はこのたびの申請にあたり、「未来を変革する社会価値の創造」「多彩な才能を開花させ未来を拓く」「変革と挑戦を加速するガバナンス」という3つのコミットメントを提示。

またこれらの下に具体的な6つの目標や、それらを達成するための19の戦略を提示しているほか、骨太の研究戦略に基づく卓越性の追求や、国際性・開放性を基軸とする大学院変革等を実行するとしています。

※参照:世界トップレベル研究拠点(東北大学 公式サイトより)(最終閲覧日:2023年7月4日)

東北大学の半導体の歴史

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※画像引用:東北大学 公式サイト(最終閲覧日:2023年7月4日)

東北大学は、同学が特に強みを持つ「材料科学」「スピントロニクス」「未来型医療」「災害科学」の4つの領域でこれらのリソースを集結し、世界トップレベルの研究拠点となることを目指しています。

特に次世代のIoTを支える基盤となる「材料科学」や「スピントロニクス」の領域では「すでに世界最高のポテンシャルを有する領域」であるとしていますが、 実際に東北大学はこうした技術の粋である「半導体」の研究において大変長い歴史を持ち、非常に大きな功績も残しています。

まず「ミスター半導体」と言われ半導体レーザー、発光ダイオード、SITトランジスタといった数々発明を生み出した西澤潤一氏。そして西澤氏の研究室は、NAND型フラッシュメモリーを発明した舛岡富士雄氏、クリーンルーム等の半導体製造技術を確立した大見忠弘氏、MEMSの世界的権威である江刺正喜氏など、数多くの研究者を輩出しています。

そして現総長の大野英男氏は次世代メモリー「MRAM」の発明者です。MRAMの実用化は遠藤哲郎氏に引き継がれました。遠藤氏は3D-NANDフラッシュメモリーの発明者です。

このように、東北大学からは半導体に関する多くの偉大な研究者や、数多くの発明品が生まれてきた歴史があります。

参照:「国⽴⼤学法⼈東北⼤学指定国⽴⼤学法⼈ヒアリング審査」資料

大学内の半導体関連施設

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※画像引用:東北大学 公式サイト(最終閲覧日:2023年7月4日)

東北大学は以下のような研究施設をキャンパス内に有しており、大学で開発したデバイスを製造することが可能です。

■国際集積エレクトロニクス研究センター

世界の大学として唯一と言われる、半導体トップメーカーが標準とする「300mmウェハー」に対応した施設を持つ。約1,900mmクリーンルーム


■未来科学技術共同研究センター

プロセスフロア面積 739㎡/630㎡ (P2/P1)


■マイクロシステム融合研究開発センター

1,800㎡のスーパークリーンルーム 4/6インチウェハーでの施策開発可能


■次世代放射光施設ナノテラス

物質を原子レベルまではっきりみることができる最先端の顕微鏡

東北大学・半導体関連の産学連携の歴史

「ミスター半導体」と言われた西澤潤一氏は、その研究成果を囲い込むことなく世界や民間企業と共有し、協力体制を築いてきたことでも知られています。

そのため、数多くの半導体製品が世に送り出されることとなりました。

実際、東北大学からは数多くの半導体関連ベンチャーが多く生まれているほか、宮城県には世界的な半導体製造装置メーカーや、次世代半導体検査装置メーカー、半導体デバイスメーカーがあります。

■東北大学発ベンチャー企業(半導体関連)

・MEMS CORE MEMSの設計・開発、試作及び製造
・Power Spin スピントロニクスを用いたAIプロセッサやメモリ開発
・Ball Wave センサー開発・製造
・C&A Corporation シンチレータおよびデバイスの製造販売
・T-Micro 三次元LSI、バイオデバイス
・MATERIAL CONCEPT 太陽電池や電子部品の配線用「銅ペースト」開発
・東北マイクロテック 半導体デバイス製造、販売


■宮城県の半導体関連企業

・東京エレクトロン宮城 半導体製造装置開発、製造
・東栄科学産業 MRAM 磁器特性・電気特性評価装置
・ラピスセミコンダクタ宮城 集積回路プロセスの開発、製造
・アドバンテスト研究所 半導体テスター用キーデバイス、電子部品開発
・ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング 半導体レーザー設計、開発、製造
・デクセリアルズ 光半導体開発、製造 

東北大学との共同研究をしている企業も多く、今後も仙台から次々とイノベーションが起こっていくと思われます。

新しい情報があればまた共有したいと思います!

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